ツンな私とデレな君。
「あぁ〜〜もう、サイアク…あたしの馬鹿ぁ…。」

あたしは廊下でうなだれた。

「亜梨沙…。」
果音が呆れた顔で私の顔をじっとみる。

「なんで、あんな事言っちゃうのさ。素直になればいいじゃない。なにも、あんな酷いこと言っちゃうの?強がり。」

「あぁー!あたしだって、わかんないの!あんな顔で見られたら、素直になれないっていうか…。恥ずかしくなるっていうか…。」

「あちゃー…。完全に亜梨沙は、デレのないツンデレだね。」

「それ、ツンデレじゃないじゃん。」

「そう!デレを見せたら萌えるのにさ!だからもてないんだよ。アメとムチならムチばっかりで、アメがないみたいな感じ。」

「なにそれ。」
わたしは、あははっと笑った。

「そう!そうやって、普段から笑えばいいのに。可愛いのにもったいないよ。」

「別に可愛くなんか…わっ!」

その時果音が、あたしのきつく結んだポニーテールをほどく。

そして、三つ編みをし、カチューシャにし、髪の毛をふわりと下ろした。

「これで、よし!ちょっとは雰囲気柔らかくなったんじゃない?」

手鏡を見た。

「なんじゃこりゃあ!」

「女の子なんだから、そんな声ださないの。」
果音は、笑った。

「この姿で一日いてみて?」

「えーー?!」

「大丈夫、わたしはどんなにキツイ事を亜梨沙が言ってても、強がりで、本心じゃないって分かるから。…でもね!周りの人や翔太君は分からないの。だから傷つけちゃダメ、分かった?」

「うー…うん…。」

「ファイトp(^_^)q 亜梨沙。」

「…ありがと?果音。」

「なぜ、疑問形?w」

「翔太君が好き…なんでしょ?」

「はっ…?!」

「嫌いなの?」
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