愛した*S*Friend
もうすぐ日付が変わるという時刻に

机の上で着信ランプが点滅する。


着信:啓太《ケイタ》

名前を確認してすぐに出た。


「柚美~集合だ!遊ぶぞ♪」


啓太は遊ぶ際常につるんでる

メンバーの一人。

保育園から中学まで

ずっと同じクラスという

かなりの腐れ縁。


『こんな時間から何処行く気よ。笑』

クチではそう言いながらも

携帯を肩とアゴで挟みながら

出る為に着替えを始める。


春を目前としているとは言え

夜はまだ寒いし

この田舎じゃ原付移動が主流。

故に

かなり着込まないと凍えてしまう。


「いいから出て来いよ。

 今皆で鍋してるから!

 お前どーせ暇してんだろ?」


決め付けるなよ‥確かに暇だけど。


『鍋って事は飲んでるんでしょ~?

 あと5分したら向かうわ。

 みっちゃん家だったら30分あれば着くよ』



〝みっちゃん家〟とは私達の溜まり場の家。

飲み会・鍋パーティーと言えば

集まる場所は

決まって「みっちゃんち!」なんだ。


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