愛した*S*Friend
「お~知ってんね♪

 待ってるから早く来いよ!

 あと酒がもう‥」


『給料日前だから金ないよ!』


「分かってんじゃーん!以心伝心だね!

 頼んだぞ♪」


『ちょっ‥!』


ツーツー‥


耳に届く虚しい機械音と共に

呆れてため息を漏らしながら

携帯を閉じる。


本当に虚しい財布をバックに突め込み

コートを羽織ると


我が家のアイドル愛犬が

気付いて起きて来た。


『お散歩はまだだよ。

 お利口さんにしててね』

まだうつろな目で私を見つめ

言葉を理解したのか

寝室へ戻り、寝始めたのを確認して

家を出る。


外は、冬の寒さに比べると

だいぶ暖かくはなったけど

やっぱり寒い。


手袋もしっかりはめて

リトルカブにまたがった。



途中コンビニで

アルコールを適当に買い、

みっちゃん家へと急いだ。

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