愛した*S*Friend
電車を降り改札を抜けると

駅のホームの外に

自転車にまたがっている千尋を見つけ歩み寄る。


『お待たせー。皆もう来てる?』


「皆もう部屋入ってるよ。
 
 今日は勇助も来るからー」


『勇助君?!久しぶりだー♪
 
 早く唄いたい~』


勇助《ユウスケ》君は啓太と千尋と

一緒に組んでるババンドのギターの人。


私はライヴに毎回足を運んでいるから

仲良くなるのは自然の流れで。


今じゃすっかりお馴染みメンバーの一員で

たまに相談なんか受けたりもしてる。


「勇助落ち込んでるから助けてやってよ」


『だからもしかして今日来てるの?
 
 会うと常に病んでる気がする』



出会って日はまだ浅いのに

お互いにすっかり心を開いている。


これは自惚れでもなんでもなくて。

確信があるんだ。


地元は違うけど

今は長年連れ添った友達みたい。



千尋と啓太の大切な人だから

私にとっても

大切な,大切な仲間。

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