愛した*S*Friend
「‥さすが柚美ちゃん。
 ごもっともだね。
 
 本当は自分の気持ちは
 分かってたと思う。

 あと一歩を踏み出すのに
 背中押して欲しかっただけかも」

『それでいいと思うよ。
 キッカケは作るもんだからね。
 誰かの一押しって
 後々,言い訳にも出来るしさ。

 こいつらなんか見てみなよ~!
 好き放題やってるじゃん!
 
 都合いい時だけ女呼び出して
 バンドの時は邪魔扱いだよ?
 こんなのに比べたら‥』

「「おい!待て!
 適当なのは啓太だけだぞ!」」

晃と千尋が声を揃える。

顔はへちを向いてても
耳はしっかりこっちだったのね‥

『そうだったね。笑
 だから,ちゃんと元カノと
 向き合おうとしてる勇助クンは
 とっても素敵だよ。頑張ってね!』

「ありがとう。
 やっぱり柚美ちゃんに聞いてもらって
 正解だったわ。サンキュー千尋!」



大概

〝悩み〟って言っても
実際答えは出てるんだ。

人に相談するのは

正しいか正しくないのか
少しでも意見が欲しいから。

本人が出した答えなら
正解も間違いもないのに。


何においても真っ直ぐなこいつらを
見ていたら

いつも何でも報告するのだけれど

ついこの間
私の身に起こった出来事を

どうしても言う事が出来なかった。


楽しい時間を壊したくなくて。





 
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