愛した*S*Friend
一旦家に帰り

制服からスウェットへ着替え

啓太と千尋の住む団地へと

原付を飛ばした。


地元から校区外とは言え

境目程度に私の家はあるから

地元の区域へも5分あれば着く。


カブのノーマルなバイク音を響かせながら

いつも溜まり場にしている

団地内の集会場へ着くと

音で気付いたのか

啓太と千尋がこちらを向いていて

「早くしと」と言わんばかりの顔で

2人共がタバコをふかしていた。


『2人同時に吸ったら煙いじゃん』と

カバンの中から取り出したタバコに

私も火をつけ

吸い込んだ煙を吐き出しながら

2人の横に腰を下ろす。


「お前まで吸ったら余計煙いわ!笑
 
 ってかまだマイセ吸ってんのかよ」

タバコを吸い始めた頃は

タールの低いメンソールを吸っていたけど


高校2年の夏に

マイルドセブンのスーパーライトに変えた。


‥悠二サンが吸っていたから。


それ以来すっかり慣れてしまって

未だに変えられずにいた。


その事情をこの2人は知っているから

突っ込まれるのも無理はない。


< 65 / 87 >

この作品をシェア

pagetop