愛した*S*Friend
『起きてるよ』とだけ返す。

いつもなら返答だけを返したりはしない。

他の話題を入れたり

『創真君は?』と

何かと話が繋がるよう仕向けるけれど。


今日はそんな必要はないと思った。



―覚悟は出来ていた。


「今からどこ行く?」


『どういう意味?』


「遠くなった俺に近付きに遊びにでも行く?」


『ドライブ連れてってよ』


「おう!今から迎えに行く」



ドライヴだけで済むはずない。


そんな事は分かっていた。




完全に恋愛対象外な奴と

今更

創真君がどうこうなりたいと思っているだなんて

さすがの私でも期待はしていない。



もうそこまで


純粋な女の子ではいられなかった。



それでも良かった。

もうこれ以上遠くなりたくなかった。




今でも充分遠い距離を

少しでも


縮めたかった―‥

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