EXCAS
 視界が徐々に広がり、ショウの存在は身体を置いてEXCASと共に在る。
 感覚、感性、すべてが同調し、目前の敵を睨む。
 戦い方、攻撃手段、自身の能力、あらゆる必要な情報が頭の中を巡る。
 魔術師としての在り方、
 イクシアスの在り方、
 EXCASの在り方、
 知らない事は瞬時に理解。あの時とは違う本当の意味での一心同体。
 本当の意味でのイクシアス。
 敗北の理由が、どこにある。
 右手に呼ぶ白銀の剣、左手に持つ『古き印』の盾。
 それらが、もう一段階姿を変える。
 剣は巨大に斬馬刀を越え、艦すら断つ斬艦刀。
 盾は二つに増え、両手に持った武器の邪魔にならないよう籠手に付く。
 数刻前まで顕在した、イクシアス・ショウの姿でそこに在る。
『「行くぞ、今度こそ……大切なモノを守るために!」』
 二つの声が重なって、二つの力が重なって、ここに、白赤の天使が舞い降りた。
 敵の救援は、はやく着いた。
 謎の発光と異常な魔力増大により、周囲にいた機体が気づいたのだ。数にして七機、彼らを取り囲んで銃口を向けた。
 彼らの捕獲対象がまともな精神の持ち主なら、この状況に絶望し諦めたがこれに諦めの文字はない。
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