EXCAS
 確かに何かが欠けていた。
 その欠けたモノを、これから取り戻そうとするのだろう。
 どれほどのエゴ。
 どれほどの自己満足。
 だが人間などは自己満足なエゴの塊。
 ならば老人のエゴで起きる事は必然。
 人間であるからこそ起きた、人間らしさからこそ起きる。
 始まる劇は、彼らにとって畏怖。
 始まる劇は、老人にとって愉悦。
 始まる劇は、あの子らにはどうだろう。
 これから始まるまでの長い幕間。
 あの狭い世界で、彼らは何を思い生きているか。
 何を感じて生きるのか。
 それは感動物のドラマであり、悲劇へと繋がる日常幕。
 負の色渦巻く黒幕を知らず、彼らは演じる役者となる。
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