EXCAS
 EXCAS-TYPE00改めEXCAS-LENAが格納庫の中へと入れたのは、一時間前。
 知らない男たちに遠巻きに見られながら、リンを抱えて座っていた。もちろん人の形で。
「いまだに信じられない」
「けれど、ちゃんと見ていたじゃないですか。わたしが人間になる姿を」
 彼女の隣には亮太もいた。人見知りする彼だが、ショウに彼女達を頼む、と言われては断れない。
 ナイトにしては役不足に思えるが、彼のここでの友人たちのおかげで人望は厚く、下手なからかいや奇異の視線は受けなかった。
 ここにショウはいない。一人だけ、呼び出されたのだ。
 格納庫に入るために一時間の時間を要した事と関係している。
 戦艦についてすぐ、別の部隊がやってきた。大きさも機体もバラバラの寄せ集めだ。その中で四足の土台に人型の上半身、まさしくケンタウロスの形をした戦艦。それは軍の物でたくさんの軍人がいた。彼らはステイ零三の部隊の生き残り。
 増援に向かった中で、はぐれて帰ってこなかった部隊もいる。そのうちの一つだ。
 ケンタウロスは巨体の鈍足だ。火力は戦艦の倍以上。蓄積できる機体の数も多く、小型の移動要塞とも言える。中には軍の者を命一杯詰め込んだのか、かなりの戦力が搭載されていた。敵勢力が撤退した理由は、これが大きいのだろう。予想外の援軍。
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