EXCAS
「亮太に続き、これは何の冗談だ」
「こっちの台詞だ。こんなとこで会うなんて、何の冗談だ」
「詩絵瑠、ランサー。お前たちまで」
 三日前までの学友、亮太と同じ場所で再会した友達に、再び意識が剥奪される。
 二人も同じだったようだが、誰よりも先に詩絵瑠が再起動した。
 その上、更なる背景を理解して。
「白いEXCASに乗ってきたのって、ショウ君だったんだ」
「「っ……!」」
 何を言うんだ、とランサーは驚き。
 相変わらず鋭い、とショウは苦笑した。
 詩絵瑠とランサーは現場にはいない。軍の迎えのためにステーション外に出撃していたのだ。それは敵と擦れ違い、故にショウとレナの存在は帰還後の又聞きでしかなかった。
 それでも、この場に彼がいる事と、今の反応で確信へと変わった。
「どうして、そんな事になったのか聞いてもいい?」
「……そうだな。俺も知りたい」
「いつかはわかる事だ。それより、聞きたい事がある」
 もしそうならば手間が省ける。何より、救いを求める心は手段を問わなかった。
 早く答えを、ヒントを貰いたくて仕方がない。
 きっと、間接的だろうと自分より知っているだろうと判断して。
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