EXCAS
 俺たちの動作を楽しそうに眺めるレナ。
 眠っていたリンも起きてしまったらしく、はやくここから出る出来だと提案した。

 どうせなら遠出しようという事で、俺の運転で町まで降りていく。
 軍の車ではなく、来たときの旧式トラックだ。
 幸い周囲に攻撃はなかったらしく健在だった。
 ただ通りはデコボコで嫌でも戦争の跡を見る事になった。
 そんな事は極力気にしないように、話題は過去の事で明るく盛り上がった。道中、人の思い出話をするのだけは止めてほしかった。
 止めろという警告は一回、それを無視した場合には制裁を加えた。
 唐突な、一秒間に加えた三百六十度回転。女性陣はよく気付き対処するのだが、馬鹿な男性諸君はよく引っかかってくれる。振り落とされかけた姿が滑稽だ。

 多少の紆余曲折を経て、我ら一行は比較的近く大きな町に辿り着いた。
 生憎と軍に外出時刻を決められているせいで、三時間ほどしか外にいられない。
 往復で一時間掛かるため、簡単な食事と少しだけゆっくりするくらいしかできないだろう。
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