EXCAS
 空を自由に飛ぶ赤い羽根。
 緑の味方に従って、彼らよりも高く『イクシアス・ショウ』は空を飛ぶ。

 こうして自由に『イクシアス』になれるようになって二週間。つまり軍に入って二週間の日が過ぎた。
 今は見回りを兼ねた訓練時間。いつ襲撃があるかもわからず、素人のままでは意味がない。時間は惜しいので、程よい地形を見つけては擬似戦闘を開始する。
 正式な軍人ではない者は定時に休憩時間があり、それを利用しリンの母親探しを行っている。時間帯が合えば亮太たちも手伝ってくれる。
 それでも、未だに彼女の母親は見つからなかった。

『もうすぐ戦闘開始だというのに、随分と余裕だな』

 片耳につけたインカムから、利きなれた男の声がする。外見とは裏腹に、青年と通る部隊長ゼム・リードの声。
 ショウが所属した部隊は零七隊の生き残り、亮太達と同じ部隊だった。
 部隊人数は彼を合わせて六人。隊長のゼム・リード、副隊長のダージュ、遠距離装備を好むヴァイフェ、そして亮太とランサー、この場にいない詩絵瑠。
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