EXCAS
 少女を、レナを、守らないと、と思っていた。
 けれど、そこはやはり似た者同士。
 俺はどうしてか庇っていた。
 自分さえ傷ついてしまえばと、どこかで思っていた。
 だから怒られた。同じように思っていたのか知らないが、
 そういう言動をした時があった。
 初めて出会ったあの日。
 同じように、怒ってやった。
 似た者同士とあの時に思った。
 軍に入ると宣言し、一緒にいると言われた、あの時に。

 それだけじゃないような。

 何か、
 不思議な感情が、
 あったような。


『ショウ!』
「っ! しまっ、」


 目前に敵が迫っていた。
 機体の銃口が向けられ、ビーム兵器特有の閃光が。

 放たれる直前、彼方より狙い撃たれた閃光に散らされた。

『何をボケッとしているんだ。ここは戦場だぞ』

「すまん。ちょっと、考え事なんてしていた」

 隣に現れたランサーに謝罪する。
 呆れた声が回線から聞こえ、次からは気をつけると。
 善戦していた。回避率の高い自分とゼム隊長、副隊長で撹乱し、残りで援護と狙撃。
 いいタイミングで味方と敵の増援が来ていた。
 今は装備が整うまで、後方で撃ち漏らした、ステーション内部に進行する部隊の始末を請け負っている。
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