EXCAS

約束

 整備される機体、広い格納庫。
 待機しろと言われ、退屈になり出て行くショウ。
 行き先など何処でもよかった、なんとなく星が見たくなったから。

 戦いが終わったら取り壊される展望公園。
 その広さは戦艦には不要だろう。
 そこから身を乗り出して外を見る。
 夜の暗さ、鏤めた星、望んだ美しさが在った。
 思う事は何もない。緊張も恐怖も、余計な感情に囚われる事はない。
 だから、旅立つ数時間前の事を思い出した。

 飛べばすぐだ、亮太に頼んで二人は飛び出した。
 リンと母親と約束をしたから。
 公園で待っていた二人に謝りながら、ゆっくりと着いた。
 唐突だったけれど、その誘いを断るつもりはなかったのだ。
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