EXCAS
 ビール、ウイスキー、焼酎、日本酒、あらゆる銘柄の酒瓶が転がっている。
 これ程空けているというのに、よくも潰れずにいられると感心した。
 同じくらい彼も空けられるというのに、何故感心するのだろう。
 山ほど飲んでいるのは隊長のゼムだった。ダージュは付き合いではあるが、同じペースで飲み続けている。
 対して亮太はあまり飲んでいなかった。自らそれほど強くないと自覚している。酔った気分ではなく酒の味を楽しんでいた。
 ヴァイフェはその両方。味わいながらかなりの量を速いペースで開けていた。
 以外だったのは、潰れかけている二人。酒に弱かった事ではなく、この場にいる事が。
 赤い顔で、穏やかに気持ちよさそうに眠っている娘がいた。
 この場に転がっている半数の酒瓶は彼女の周りにある。よくレナがここまで開けられたなと、呆れながらも感心せずにはいられない。
 もう一人。静かに眠っている少女がいた。
 もともと強くはないのだが、一本も開けられないまま、詩絵瑠は蹲って眠っていた。

「……どうして、この二人がここにいるんですか」
「同じ部隊の仲間なんだ、誘って当然じゃないっすか」
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