EXCAS
「隊長。酔っていますね」
「ああ、この人は気にしないでください。意識がありながら酔える人ですから。なかなか潰れてくれないんですよ。そうすれば、少しは始末におえるんですがね」
「まあ、この調子で絡まれ続けたら、確かに始末におえない」
「ひどいなあ、俺は何もしてないぜ? ただ楽しく酒を飲んでいるだけなのさ」
「出来る事なら飲んでほしくない、と言うのが本音なのですが」
「同感ですね。他人に依存する酔い方は、すべて悪酔いです」
「いじめだ。ヴァイフェ、一緒に付き合え」
「もちろんであります、隊長!」
「馬鹿二人は放っておいて。ところで、貴方は飲まないんで?」
「そうですね。亮太、付き合え。拒否権はない」
「酷っ」
 徳利を取って直に飲む。
 冷たくも熱い液体が喉を潤し、酒が回ったと自覚できる。
 高揚感が湧き上がり、体温が上昇する。確固たる自我の元、どうしても聞きたい事を隣の友人に尋ねた。
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