EXCAS
 何人もの仲間に続き、彼は戦っていた。
 先ほどから魔力計器が異常な数値を叩き出し、あたりは混乱に包まれていた。それを利用し、大幅に敵を削ったのだが。
 確信があった。きっと誰かが戦っている。
 見知った誰か、仲良くした誰か、辛い目に遭っている誰か。
 僅かな思考だった、それでも隙は生まれ一撃を受ける。
 致命的ではないにしろ機体を大きく揺るがした。だがいまの亮太はそれくらいでパニックを起こしたりしない、数多の戦場を潜り抜けた戦士の覚悟は桁が違う。
 すぐに態勢は整い瞬く間に反撃を決める。
 コクピットと動力を一息に両断し、立ち上がる爆炎を利用し距離をとった。

「ッ……藤咲、大丈夫だった」
「問題ないよ。それより、もっと気をつけてね。こんなところで、まだ死ぬわけにはいかないんだから……」
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