EXCAS
「……ショウに、ランサーの敵討をするまでは?」
「それが、私の生きる意味ならば。亮太君だって、お姉さんの仇を討つためにここにいるんでしょ」
「正直、それもどうかと、今は思っている」
復讐を糧に生きる事は、不毛ではないか。
彼女の有様を見て、やっとそう思える自分がいた。
誰とも知れない敵を討つ、わからなければすべてを打ち尽す。戦うためだけにイマを進んで、それでこれからをどうするんだろう。
きっと何も思い浮かばない、それ以外を考えていないから。
失ったものは戻ってこないように、姉さんがいない日常にはきっと戻れない。安易な逃げ道はない、これからを真剣に考えなければいけない。そのためには復讐という道は間違っているのではないか。常にショウの命を狙い続ける姿を見て、そう思った。
感情の爆発力の中で、復讐心というのは二番目に強い。持続力もあるのだがそれには後がない、尽きれば終わる。
最高に強いものは愛情である、何より強く先がある。
そういう点では、以前の詩絵瑠は強かったのだろう。だから弱くなった、復讐の道に走ったが故に。
「それが、私の生きる意味ならば。亮太君だって、お姉さんの仇を討つためにここにいるんでしょ」
「正直、それもどうかと、今は思っている」
復讐を糧に生きる事は、不毛ではないか。
彼女の有様を見て、やっとそう思える自分がいた。
誰とも知れない敵を討つ、わからなければすべてを打ち尽す。戦うためだけにイマを進んで、それでこれからをどうするんだろう。
きっと何も思い浮かばない、それ以外を考えていないから。
失ったものは戻ってこないように、姉さんがいない日常にはきっと戻れない。安易な逃げ道はない、これからを真剣に考えなければいけない。そのためには復讐という道は間違っているのではないか。常にショウの命を狙い続ける姿を見て、そう思った。
感情の爆発力の中で、復讐心というのは二番目に強い。持続力もあるのだがそれには後がない、尽きれば終わる。
最高に強いものは愛情である、何より強く先がある。
そういう点では、以前の詩絵瑠は強かったのだろう。だから弱くなった、復讐の道に走ったが故に。