EXCAS
 敗走を悟り数多の兵士が引き上げていく。
 無闇に死者を出したくないための行為だろうか、自軍の中に隠れ潜む。
 勝利を謳い確信し、進撃は止まる事を知らない。逃げる者を追い回し虐殺し、これまでの仕打ちを返すように。
 この戦争resist・hopeの勝ちは明白だった。
 あれだけの劣勢、あれだけの物量差があったのにも関わらず。互角以上の戦いをした、互角以上に戦う者がいた。一騎当千の猛者がいた。だからこその勝利、鼓舞されたからこそ掴み取れた勝利、それがもう目の前にあった。

 砲撃が続く。
 傷ついた艦、無傷な艦、そのすべてを従えた中佐の乗る戦艦から演説が聞こえる。
 ひたすらに偉そうに、誰が聞いているのかもわからない演説を。
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