EXCAS
「ふざけるなよ!! そんな、訳のわからないごたくでっ!」
 光が凝縮され、濁流の如く吐き出された。
 瑠璃色は綺麗だが、それらはダムでさえ堰き止められない悪意の塊。留まる事を知らないそれは増えて、水滴は雨へと変わる。人間は津波に攫われるのに、人工的に生み出されたそれを凌駕する存在に耐えられる。
 如何に吠えようと、人間に防ぐ術はない。
 例えどんな状況にあろうと、例えどんな絶望を味わおうと。
「そんな理不尽で、殺されてたまるかあぁ!!」
 絶対的な理不尽には屈しない。それがショウ・ステイアスという人間だ。
 だが、と蒼い機体に乗った隊長・ガイア・オルンティスは思う。
 どんなに理不尽を許せなくても。
 どんなに抵抗しようとも。
 勝る力がなければ意味がない、と。
 理不尽を凌駕する更なる理不尽を少年は持っていない。
 今、この瞬間までは。
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