EXCAS
『その通りだ! いつかの未来で同じ過ちが繰り返されぬよう、貴様が再び己が力で殺戮を繰り広げないよう追っ手を差し向けた! そこでお前が死んでいれば、こうは起きなかったのではないか!』

「っ、死なないといけないの? どうして、そんな目にばかり遭わないといけないの?」

『どうしてだと! あれだけの犠牲を出しておきながら二度がないというのか、眠っていれば済むと本気で思っているのか! 何たる愚考、お前は存在する事自体が罪なのだと、何故気づかない!』

 息を飲み込んだ、あまりの無常さに瞳孔は見開いて、また悲しみに打ちひしがれる。
 存在自体が罪なのだと、そこまで言われなければならないものか。
 そこまでひどいというのか、この少女が。
 矛先が外れた彼には、それが悔しい。話の中身を知らなくて、この娘を守る事が出来なくて。ただ悔しかった。

『忘れるな! 私の娘たちも、貴様が殺したのだ! たくさんの人間の死体の山、そこが彼女たちの墓標だった!』

「「――――!!!」」

 その怒り、その狂気、その憎悪。
 最愛の身内の復讐、その名目ならば話が通る。
 大切な家族を、大切な存在を、それを奪われた悲しみと憎しみは消せるはずがない。

『わかるか、あの苦しみ! あの悲しみ! あの屈辱!
 すべては復讐だ、そして未来のためという大義名分がある! そのために死ななければならない』

「……わたしは、死なないと、いけないの?」
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