EXCAS
 瑠璃色の光が遮断されたのは一瞬。
 虚を突かれ、次の瞬間には再び攻撃が開始された。
 宝石色の雨が、白い巨体に降り注ぐ。静かに、綺麗に、白い機体は言葉を発す。
 剣の先から閃光が広がり、五亡星の陣を描いた。
 魔術式は、盾を意味する魔法陣は術者の眼前に立ち塞がった。
 侵食を拒絶する蒼い盾の前に、光の雨は遮断される。
「すごい」
 少女の呟きも無理はない。大出力を前に、退かずに耐え切ったのだから。
 だがショウは思えなかった。確かにすごいが、ただの強がりでしかないと、そう思えた。
「アンタ、大丈夫なのか!」
 ショウが呼びかけると、誰が予想しただろうか。
 この白いEXCASでさえも、驚きで顔を彼へと向けた。
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