EXCAS
「このままじゃ不味いだろう。あんた、疲れているじゃないか」
『……何故、そんな』
「喋った!?」
「それは後回しだ! それから、あんたも! 次の攻撃がくるぞっ!」
 上空を指差せば、状況はさらに悪化した。
 陽電子式『DIS-VANISH』――――
 大砲を抱えた白銀の銃器は、赤黒い粒子を掻き集めながらその矛先を向ける。その破壊力は桁が違う。ステーションの外壁を壊す可能性を秘めた光線を、果たして耐えられるか。
 Shield。
 五亡星が赤色と衝突した。
 今度ばかりは完全な拒絶にならず、光が白い身体を引き裂いていく。
 苦痛の声が上がりその圧倒的な攻撃力の前には動く事も出来ず、ただ耐えて立ち尽くすしかなかった。
 自身の身を守るためであり、何より二人の子供たちのためだろう。
 この場に現れた時から抱いていた感情、それがEXCASを奮い立たせた。
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