EXCAS

「そんな事。認められない!!!」

 怒号。天井が崩れた音より、さらに大きなバルザックの声。
 振り向けば、鋼鉄で作られた拳銃。こちらは最新型のレーザー式。
 崩れた天井に隔てられ、二人の男が交叉する。
 方やそんな厚みをものともしない文明の利器。
 方や確実と誇られた古き過去の文明。
 視線は交わる事はない。二度と声を掛け合う事もない。
 お互いに、これが最後なのだ。
 トリガーに指を、引き金に指を。
 狙いは脳裏についている。
 狙いは既についている。
 両手で構えたしっかりと、片手で構えた軽やかに。
 どうでもいい、すべてを終わらせるために。
 折れる事なく真剣に、これからすべてを始めるために。
 惑星の残骸。その砕け散る音が、開始の合図。
 ガンマンの決闘。
 響いた銃声は、たったの一度きり――――
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