EXCAS
 岩盤が降り注ぎ、飛礫となって散りばめられた。
 二人の男は、目を瞑っている。
 片方は、その顔は二度と見たくないからと。
 片方は、その顔を二度と見る事がないから留めるためと。
 細く長い銃身から、青い光が放たれた。
 触れる鉄は溶解し、触れた肌は溶け、血も流れない。触れれば致命的な、そんな光線が襲い掛かる。
 あらゆるものを否定するように、だから岩盤を突き破っていく。
 古く黒い銃身から、鈍光する弾が飛ぶ。触れれば砕ける、どちらも必ず砕けて終わる。それはなんとも頼りなく、だからこそ感じるものがある。
 きっとそれは突き進むだろう、何に触れようと突き破る事は出来ずとも。
 どちらも止まらない。
 それは己が心の代弁者。
 一秒にも刹那にも満たない間、それらは交叉する。
 やはり互いに触れる事はなく、それらは狙われた者へと飛んでいった――
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