EXCAS
 進んでいく、そこには後悔はない。
 責任を取れといわれたら喜んで取ろう、だがそれは過去の事。
 現在では、責任なんて取ってはいけない。
 それは死ねと言われれば逆らえないほどに。
 だからこそ、自分が育んだ命があるから、責任なんて取ってはいけない。
 後悔はしない、行き過ぎた責任は取らない。
 だから戦っていく。
 答えを、後悔しないで死なない責任の取り方を探すために戦っていく。
 それも、もはや過去の事。
 この時は、そんな柵から解き放たれた遠い未来。
 雨が、止んでいく。
 穏やかに、ゆっくりと、雲が晴れていく。

「やっとみつかった。そう、言ったね」

「ああ。やっと、みつけた。
 やっと、ここに立つ事が出来た」

「それは何より。お友達も、きっと喜びます」

「――あの魔術師も、喜んでくれるかな」

「ええ。きっと」

 晴れた雲から、太陽が覗いた。
 直視する事で焼き尽くすそれは、とても穏やかな月の光によく似ている。
 昼間の月光の下。
 二人の影は、その姿を明らかにした。
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