EXCAS
 お父さん、お母さん、そういいながら双子がやってくる。
 やっと、両親が揃ったと笑っていた。
 その愛しい子供たちの名前を、二人揃って呼んでいた。

「「シナ! レウ!」」

 男の子の名前を、シナという。
 女の子の名前を、レウという。

「しかし、どうしてレウなんだ?
 語呂が悪くないかい。レウ・ステイアス」

「そんな事を言ったら、シナ・ステイアスだって語呂が悪いよ」

「仕方がないだろう、お互いの文字を取って名前をつけよう、なんて言い出すんだから」

「む。だって、名前なんてどうつけたらいいのかわからなかったし」

「本があるだろう。折角買ったっていうのに、いらないだもんな」

「そんな本より、二人の名前から取りたかった。
 私たちの子供だっていう、確かな証として」

「。君は、とても恥ずかしい事を言う」

「あら。だって、先に告白したのは、私の方ですよ」

「すっかり忘れていた。あの時に、俺のハートは奪われていたんだな」

「ハート泥棒さんですね、私。でも、それを言うなら、貴方も立派だった」

「……忘れて。お願い。あれ恥ずかしい」

「開戦直後に告白なんですもの。たくさんの人に祝福されましたよ。ロマンチック度は、少し低かったですね」

「じゃあ、どういう風に言えばよかったのかな?」

「お好きなように。貴方の言葉なら、すべてが甘い蜂蜜」

「ふふ、虫歯になっても、知らないよ」
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