EXCAS
「ここで戦って、傷ついて、それでどうする。勝てないとわかって、どうして挑む。意味がないだろ、逃げればいいだろ、あんたが戦う必要がどこにある」
狙われているのは天使だ、その当人が出て行ってどうなる。敵の増援が来ると理解していて、先の戦闘から圧倒的な不利だと理解していないのか。そんなわけがない、すべて承知の上での発言だろう。
「戦う必要はない、傷つく必要がない。あんたは逃げればいい、あんたが戦うのは身勝手だ。何の理由があったそんな事をする」
螺旋を描く言葉に、初めて抵抗する。
弱々しさを感じるが、譲れない決意。
『それがわたしのしたい事。たくさん迷惑を掛けたから少しでも助けたい。これは我侭』
揺るぎない声。決意ではなく性分。
定めた物ではなく天性の物だから。
これだけは譲れない。
藍色の瞳はそう告げる。
真正面から受け止めて、少年は怯まない。
満足そうに口元に笑みを浮かべ。
「あんた、本当にいいヒト、だな」
『こんなわたしをヒトというなんて、相当に変わった人ですね』
「そうさ、俺は変わった奴なんだ。だから……」
狙われているのは天使だ、その当人が出て行ってどうなる。敵の増援が来ると理解していて、先の戦闘から圧倒的な不利だと理解していないのか。そんなわけがない、すべて承知の上での発言だろう。
「戦う必要はない、傷つく必要がない。あんたは逃げればいい、あんたが戦うのは身勝手だ。何の理由があったそんな事をする」
螺旋を描く言葉に、初めて抵抗する。
弱々しさを感じるが、譲れない決意。
『それがわたしのしたい事。たくさん迷惑を掛けたから少しでも助けたい。これは我侭』
揺るぎない声。決意ではなく性分。
定めた物ではなく天性の物だから。
これだけは譲れない。
藍色の瞳はそう告げる。
真正面から受け止めて、少年は怯まない。
満足そうに口元に笑みを浮かべ。
「あんた、本当にいいヒト、だな」
『こんなわたしをヒトというなんて、相当に変わった人ですね』
「そうさ、俺は変わった奴なんだ。だから……」