EXCAS
戦争

TYPE00

 白銀が黒腕を跳ねた。
 二度三度を剣線が閃き微塵に処す。
 人の命がないとは言え、残酷な行動と思える。が、思いを残す余裕はなく、味方を失っても破壊工作を続けている。すべてを終わらせる無慈悲な行為。見逃すわけにはいかない。
 白翠の盾を突き出し、身を守り、白銀の剣で屠っていく。
 動力部を触る腕を断ち、次に胴と首を切断し、次の標的へ飛んで行くのに三秒と要らない。仮に正反対の距離まで回ったとしても、一秒も掛からない。その高速、止める術を誰も持ちはしない。
 ACSは照準をつけ、その速度に舌を巻いた。
 目標を定め最短距離で向かって行くその速度、例え何処を行くかわかっても当てる事が出来ない。
 そうして瞬く間に、動力部に張り付いていたEXCASは全滅した。
 白い天使が悪魔に見えた。
 藍色の瞳は、ぞっと寒気を覚えさせる。
 悪魔め、誰か音声に出して呟いた。
 声に反応し、天使の羽根は禍々しく胎動を始める。空気が歪んで、羽根は天使であり悪魔になりつつある。
 擬似血液が返りついた剣は鈍い銀色、盾は少し不恰好にへこんでいる。
 その容姿、
 その気配、
 その罵りに間違いはない。
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