EXCAS
クロトは笑って、その場を後にした。彼が向かう先はこの三人のクラス先。凹型の西棟三階にある。その先を眼で追って、ショウは溜息を吐いた。とても重い物だった。
「……いつまで睨んでいるつもりだ」
言われて、はっとなる。鏡があれば、ひどい目付きだと自嘲するだろう。
「ごめん。わかってはいるんだけど」
「EXCASは、やっぱり憎いか」
「違う、とはわかっている。種類は同じでも、違うって」
「無理に好きになる必要はない。嫌いになっていていい道理もないが」
「うん。努力は、しているんだけど」
「……親の仇じゃな」
藤咲詩絵瑠。彼女の親は、幼い頃に亡くなっている。
ある事件に巻き込まれ、EXCASに撃たれて亡くなった。敵対者に向けたはずが、環境トラブルで照準が狂ったのだ。犯罪行為としてそのEXCASは解体処分になった。
当時十歳にも満たない少女が、目前で親を殺されて憎むのは当然。見た目が同じの、すべての警備型EXCASを憎んだろう。そして今も続いている。破壊衝動はなくとも、憎しみの対象としていた。クラスメイトをそうとしか見られない事が、詩絵瑠は悲しい。
お好み焼きを持って二人が戻ってきた。重々しい雰囲気はそれで消え去った。もちろん二人が気付かず、何事もなく雑談をしながら食事は終わった。
「……いつまで睨んでいるつもりだ」
言われて、はっとなる。鏡があれば、ひどい目付きだと自嘲するだろう。
「ごめん。わかってはいるんだけど」
「EXCASは、やっぱり憎いか」
「違う、とはわかっている。種類は同じでも、違うって」
「無理に好きになる必要はない。嫌いになっていていい道理もないが」
「うん。努力は、しているんだけど」
「……親の仇じゃな」
藤咲詩絵瑠。彼女の親は、幼い頃に亡くなっている。
ある事件に巻き込まれ、EXCASに撃たれて亡くなった。敵対者に向けたはずが、環境トラブルで照準が狂ったのだ。犯罪行為としてそのEXCASは解体処分になった。
当時十歳にも満たない少女が、目前で親を殺されて憎むのは当然。見た目が同じの、すべての警備型EXCASを憎んだろう。そして今も続いている。破壊衝動はなくとも、憎しみの対象としていた。クラスメイトをそうとしか見られない事が、詩絵瑠は悲しい。
お好み焼きを持って二人が戻ってきた。重々しい雰囲気はそれで消え去った。もちろん二人が気付かず、何事もなく雑談をしながら食事は終わった。