EXCAS
 何だあれは、と誰かが口にした。だが次の瞬間、その人物はこの世から消え去った。
 瑠璃色の閃光が走ると、外宇宙を警備していた部屋が蒸発した。ビーム兵器による攻撃だと、すぐには気づけなかった。
 別の部屋では、起きた事態を把握するためにたくさんの男達が喚いていた。
「一体どこの軍隊だ! 防衛隊は何をやっている!?」
「外壁部分の一画がやられ、内部への進行を許しました!」
「至急軍隊とEXCASを廻せ、非常事態だ市民に避難警報を」
「進行隊の中にEXCASがいるだと? 発砲したのもそうだと言うのか!」
 司令塔は大混乱。戦闘経験は皆無、戦後作られたステーションだ。実戦を知識でしか知らないのに、この強襲に対処しろというのは無理だ。
 軍が動き、外にいる敵へと応戦に向かった頃、外周の通信装置は破壊されていた。助けは呼べず、泥沼の戦闘が開始された。
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