EXCAS
「難民の何名かは、この艦内で働いてくれているのです」
「艦内で? 非戦闘要員がどうやって働くと」
「戦闘要員としてですよ。OSに乗れる者と白兵戦に」
「っ、なんだってそんな事を」
『艦長! 少し、いいですかっ』
 先ほど覗き込んでいた中から、一人の青年が顔を出す。
 とても軍人や戦いには似つかわしくない、思いがけない、再会があった。
「ショウ」
「亮太」
 夢を見ているんじゃないか、という錯覚に陥る、酷くできの悪い、悪夢。
 何をしているんだよ、と。何気ないその一言が出てこない。本当は、そんな言葉なんかじゃないんだろうが、生憎浮かんでさえこなかった。
 水上亮太。彼に対して、不意に、溜め込んでいた感情が鎌首を擡げた。
 ぶつけやすい相手に出会って、これ以上になく■■を刺激されたから。
「どうして、お前がここにいるんだっ。戦艦の中に、そんな服装で」
 正規の軍服ではないが、周囲でよく見かける服装。
 Resist・hopeのロゴが入った章を胸につけ、確かに一目瞭然だった。むしろわからない、なんて方が無理な話。
「なんで、どうして、お前が抵抗組織なんてやっているんだよ!」
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