EXCAS
「水上、そいつと知り合いなのか」
去った軍人の一人が戻ってきた。やけに腹が立つ、そんな笑みを浮かべて。
その軍人、亮太も苦手としているのか曖昧に答えた。別にそれに突っかかるつもりはない、普段なら嫌味の一つも言ってやるのが相手が悪い。
この人間、嫌なニオイがする。
「おい、貴様。こいつの友人だというのなら、貴様も戦線に参加しろ」
「何を、言っているんですか。俺はただの一般人です」
「高等部に通っていたのなら銃器の資格くらい持っているだろ、つべこべ言わず戦え!」
「軍人がいます。抵抗組織があります。戦う必要がありません」
「命令だ! 今は少しでも戦力がほしい状況だ。それに友人の姉が殺されたというのに、貴様は逃げるのか!?」
「どうして、そこであの人が出てくるんですかっ」
ズキン、と心臓が痛んだ。こいつの言葉が、あの現場を見てきたようで。
どこをどうやって逃げ切れたのか知らない、彼女と一緒に戦い逃げた事でステーションが崩壊したというのは間違いない。そしてあの敵は彼女を追ってきた、原因は彼女にある。
だが、俺は許した。
責めなかった。
それは、逃げなのか?
憎しみ恨みは負の感情、争いを巻き起こす根源。それを放棄するという事は、戦いを仕掛けられてその感情を放棄するという事は逃げなのか。否、戦いを繰り広げるのは不毛だ、どこかでそれを断ち切る必要がある。
俺はそれに徹した。
断ち切った。
だから、これは逃げじゃない。
去った軍人の一人が戻ってきた。やけに腹が立つ、そんな笑みを浮かべて。
その軍人、亮太も苦手としているのか曖昧に答えた。別にそれに突っかかるつもりはない、普段なら嫌味の一つも言ってやるのが相手が悪い。
この人間、嫌なニオイがする。
「おい、貴様。こいつの友人だというのなら、貴様も戦線に参加しろ」
「何を、言っているんですか。俺はただの一般人です」
「高等部に通っていたのなら銃器の資格くらい持っているだろ、つべこべ言わず戦え!」
「軍人がいます。抵抗組織があります。戦う必要がありません」
「命令だ! 今は少しでも戦力がほしい状況だ。それに友人の姉が殺されたというのに、貴様は逃げるのか!?」
「どうして、そこであの人が出てくるんですかっ」
ズキン、と心臓が痛んだ。こいつの言葉が、あの現場を見てきたようで。
どこをどうやって逃げ切れたのか知らない、彼女と一緒に戦い逃げた事でステーションが崩壊したというのは間違いない。そしてあの敵は彼女を追ってきた、原因は彼女にある。
だが、俺は許した。
責めなかった。
それは、逃げなのか?
憎しみ恨みは負の感情、争いを巻き起こす根源。それを放棄するという事は、戦いを仕掛けられてその感情を放棄するという事は逃げなのか。否、戦いを繰り広げるのは不毛だ、どこかでそれを断ち切る必要がある。
俺はそれに徹した。
断ち切った。
だから、これは逃げじゃない。