マー君2(原作)
<39>
薄暗い部屋に、一人の若い男がいた。
部屋は狭く、何も飾りのない殺風景だ。
部屋にあるのは点けっぱなしのテレビと、その前にある高価そうな黒ソファだけだ。
男はそこに座り、画面に映る映像を見ていた。
そのテレビ画面には一人の少年が穴に生き埋めにされた後の、悍ましい光景が映しだされている。
周りには白い仮面をつけた大人が三人立っている。
その内二人は警官だ。
テレビを見ていた男は、大きなため息をつき、持っていたリモコンを向けた。
そこへもう一人現れた。
ドアを開け入ってきたのは、赤いワンピースを着た黒の長髪の女だ。
腰まで伸ばした長い綺麗な黒髪が揺れる。
女はにこにこ笑いながら、男の横に滑り込むと、男に話しかけた。
「鏡どうしたの? また失敗したの?」
鏡と呼ばれた男−−桐原鏡は、テレビを見たまま答える。
「ああ、駄目だ。それに−−KPS、君に言われたくないね」
KPSと呼ばれた女は、桐原が嫌がるのを無視して、彼に体を寄せる。
「いいでしょ、鏡とは鍵探しからの仲なんだから」
薄暗い部屋に、一人の若い男がいた。
部屋は狭く、何も飾りのない殺風景だ。
部屋にあるのは点けっぱなしのテレビと、その前にある高価そうな黒ソファだけだ。
男はそこに座り、画面に映る映像を見ていた。
そのテレビ画面には一人の少年が穴に生き埋めにされた後の、悍ましい光景が映しだされている。
周りには白い仮面をつけた大人が三人立っている。
その内二人は警官だ。
テレビを見ていた男は、大きなため息をつき、持っていたリモコンを向けた。
そこへもう一人現れた。
ドアを開け入ってきたのは、赤いワンピースを着た黒の長髪の女だ。
腰まで伸ばした長い綺麗な黒髪が揺れる。
女はにこにこ笑いながら、男の横に滑り込むと、男に話しかけた。
「鏡どうしたの? また失敗したの?」
鏡と呼ばれた男−−桐原鏡は、テレビを見たまま答える。
「ああ、駄目だ。それに−−KPS、君に言われたくないね」
KPSと呼ばれた女は、桐原が嫌がるのを無視して、彼に体を寄せる。
「いいでしょ、鏡とは鍵探しからの仲なんだから」