マー君2(原作)
「それはマー君信者としての言葉か?

それとも−−」

桐原は横目でこっちを見つめるKPSを見た。

KPSはにこりと微笑むと、間を開けず桐原の顔に唇を寄せ、次の瞬間唇を奪った。

「ばっ!」

「これが答えだよ」

唇を離し、KPSは桐原に抱き着いた。

桐原はしぶしぶKPSに抱き着かれたまま、テレビのチャンネルを変える。

「俺はお前を許した訳じゃあない。ここに留まっているのは−−」

「弟さんのためでしょ? でも予想外だったわ。まさか、あなたがあの悪夢に打ち勝つなんてね」

KPSが話している中、チャンネルが変わっていく。

一樹が映っていたテレビは、誠、七恵、恭介、美代と変わっていく。

「でも、だから私がほれたのかもね」

「ふん、どうだかな」

桐原は美代が映るチャンネルで止める。

「どちらにしろ、君はここにいるべきじゃあない」

「なら−−」

KPSが画面に映る美代を見る。

「なんでこいつらの肩を持つ訳? こいつらがあれだから?」

「君には関係ないさ。ただ彼らの可能性を見いだしたくてね」
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