マー君2(原作)
皆と同じように振る舞った方がいい。

そう思って自分を「美代」なんて呼んでた。

けど、それは美代−−私の本心じゃあない。

皆に、一樹に気に入られたいから自分のことを「私」じゃあなく「美代」って呼んでる。

でもたまに気付く。

美代は自分の濃い陰に話しかけるように呟いた。

「私って・・・・・・孤独だね」

そう孤独だった。

一樹に自分の気持ちを伝えられず、ただ嫌われたなくないがために周りの友達と同じように振る舞う。

この世界ではイレギュラーは嫌われる。

皆と同じように白い仮面をつけていないと、生きていけない。

だけど、私は一樹に伝えたい。

この偽りの仮面を外した本当の気持ちを。

だけど、私は−−。

美代は顔を上げ、正面を向いた。

その先には−−。
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