マー君2(原作)
<3>

美代は夢を見ていた。

自分でもわかる。

これは夢だと。

たまにある。

夢とは思えないリアルな映像が視界を占める。

私はいつも誰かと向き合っている。

その人は私に何か言うが、よく聞こえない。

ノイズが入り交じり、聞き取りにくい。

「−−終わり−−しよう−ーなこと」

その女の人は言う。

「危険−−まってる。マー君−−きてる。−−知らな−−真実を」

そこでいつも夢は終わる。

が、今回は違った。

続きがあった。

その女の人は言った。

「−−いて−−水月−−間宮−−真実を」

人の名前だった。

水月と間宮。

聞いたことがない名前。

女の人は必死に何かを伝えようとしている。

しかし、時間は刻々と迫る。

夢が覚める時間が−−。

「信じて−−仲間を」

その言葉を最後に夢は幕を閉じた。

美代は最後の言葉の意味を知りたかった。

とても大切なことな気がした。

とても大切な−−。

目が覚めた時、額に伝う涙を感じた。

美代はその涙を拭うとふと呟いた。

「仲間を信じる」
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