マー君２（原作）
一樹はメールを読みながら、勢いよくベッドから飛び出した。

「マジかよ、なんでアラーム鳴らなかったんだよ！　ふざけんなって」

メールの内容は予想通りだった。



お前、いつまで寝てんの？　今日テストだぞ。

ってかもうすぐ始まるぞ。


予想と違ったのは今日「テスト」があることぐらいだ。

しかし、それはかなり重要だ。

そのため、嫌でも一樹の思考はパニック状態に陥り、正常に判断ができなくなっていた。

「おいおいおい！　ふざけんじゃねーぞ！　テストとか、聞いてねーし」

一分も経たない内に学ランに着替え、鞄を持ち、マラソン選手並に階段を駆け降り、家を飛び出した。

その際、リビングから母親の声が聞こえてきたが、構わず走り続けた。

家から学校までどういったか覚えていないが、まるで走れメロスのごとく命を削る思いで風を切り走ってきたのは覚えていた。

人間窮地に追い込まれると驚異的な力を発揮するようだ。

だが、その力をもってしても、テストに間に合うことはできなかった。

通う中原中学校に着いた頃には授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いていた。

一樹は走るのを辞め、ゆっくりと学校に向かい歩き出した。

その間、昨夜の悪夢のことを遅刻した原因にし、一人黙々と攻め続けていた。
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