マー君２（原作）
＜３＞

生きている中で、人間どれぐらいの失敗を重ねるのだろうか？

その失敗の積み重ねは、やがて経験になり、その者を成功に導く。

「だとしたら、この失敗も後々成功に繋がるわけか、うん」

一樹は休み時間の騒がしい教室で一人憂鬱としていた。

二年二組の教室では生徒達が各グループを作り、談話したり、携帯をいじったり。

最近ではPSPという携帯ゲームをやっているグループもいた。

そんな中窓辺の１番後ろの席に座る一樹は、晴天下ではしゃぎまくる一年生をぼうと見下ろしていた。

次の時間体育なのだろう。

一年が体育着を着て、蟻のように群れをなしている。

「それにしても、人間とは奇妙な生き物だ。なんでこんな蒸し暑い中、外で身体を動かすという馬鹿な行為に走るのか？　

いや、これは学校の陰謀というべき−−」

「はいはい、頭大丈夫ですか〜？」

後ろから明るい声が聞こえ、一樹は渋々自分の世界から抜けだした。

「俺になんか用？」

振り向きながら、後ろにいる人物に言う。

誰かはわかっている。

この猫のような声、そして気配−−。
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