マー君2(原作)
一樹の後ろには、机に座る背の低い女子がおかしそうにこっちを見ていた。
綺麗な黒髪を肩に垂らし、小さい顔は白く、唇は血のように赤みをおびている。
目が猫に似ているが、どこか優しさ感じさせる。
この中学では男子は学ラン、女子はセーラー服になっている。
そのため、彼女も当然それを着ていたわけだ。
白と赤。
一般的な色だ。
もちろん赤は異様に短いスカートであることは言うまでもない。
一樹は二年間隣の席の鈴木美代を一瞥し、大きなため息を漏らした。
「いや、言うな。お前が何を言いたいかはわかる」
「へぇ〜、じゃあ当ててみてよ、哲学さん」
美代が机の下で足をぶら下げ上下に振る。
「ああいいぜ、当ててやるよ。美代は今俺にこう言おうとしたんだ。
柳橋先生が職員室に来いってな。ついでに用件はさっきのテストのことについてだ」
「わかってんなら、早く行きなよ。柳橋先生カンカンに怒ってたよ」
美代は「よいしょっ」と言いながら机から降り、開け放たれた窓に近寄る。
「一樹頭はいいのに、そんなじゃあ意味ないよ」
「意味がない? 俺の失敗にか? そいつは違うぞ。これは成功に繋がる−−」
綺麗な黒髪を肩に垂らし、小さい顔は白く、唇は血のように赤みをおびている。
目が猫に似ているが、どこか優しさ感じさせる。
この中学では男子は学ラン、女子はセーラー服になっている。
そのため、彼女も当然それを着ていたわけだ。
白と赤。
一般的な色だ。
もちろん赤は異様に短いスカートであることは言うまでもない。
一樹は二年間隣の席の鈴木美代を一瞥し、大きなため息を漏らした。
「いや、言うな。お前が何を言いたいかはわかる」
「へぇ〜、じゃあ当ててみてよ、哲学さん」
美代が机の下で足をぶら下げ上下に振る。
「ああいいぜ、当ててやるよ。美代は今俺にこう言おうとしたんだ。
柳橋先生が職員室に来いってな。ついでに用件はさっきのテストのことについてだ」
「わかってんなら、早く行きなよ。柳橋先生カンカンに怒ってたよ」
美代は「よいしょっ」と言いながら机から降り、開け放たれた窓に近寄る。
「一樹頭はいいのに、そんなじゃあ意味ないよ」
「意味がない? 俺の失敗にか? そいつは違うぞ。これは成功に繋がる−−」