きらいだったはずなのに!
通知二件の文字が目に入った。
一件は悠斗からで、もう一件はミヤコちゃんからだった。
たぶんミヤコちゃん、心配してメッセージをくれたんだ。
中身はまだ見ていないけど、心配性のミヤコちゃんのことだからきっとそうだ。
悠斗に返事をしてからミヤコちゃんには報告しようと、恐る恐る画面の中の『悠斗』の欄をタップする。
開かれた画面には、たった三行の文章がつづられていただけだった。
『今日は急にごめん』
『さっきも言ったけど、茉菜に言いたいことがある』
『もし嫌じゃなかったら返事ください』
——付き合っていた中学の頃、学校で飽きるほど喋っていたのに、帰ってからのアプリでのやり取りも尽きることはなくて、あたしのスマホは悠斗からの通知で四六時中鳴っていた。
スクロールしても見返せないほどのやり取りに、思わず笑っちゃうくらいで……。
それが嬉しくて、幸せだったことを思い出す。
あたしはうつぶせのまま『わかった』とだけ返事を打って、そのまま枕に突っ伏した。
履歴もなにもなくなった、たった四行だけになってしまった画面がやっぱり少しだけ寂しくて悲しくて、一粒だけ零れ落ちた涙が枕にしみこんで消えていった。