きらいだったはずなのに!
7.清算
一夜明けて、土曜日の今日から夏休みだ。
暑がりのあたしは、じっとり汗ばむパジャマの不快感に目を覚ました。
エアコンのタイマー、もっと長めにすればよかったな。
窓を通り越して聞こえてくる朝っぱらからうるさく鳴いている蝉の声を聞きながら、ゆっくりと体を起こした。
まだぼーっとする頭でベッドに座りながら、昨日のことを反芻する。
『わかった』とだけ送ったあとの悠斗からのメッセージは、至ってシンプルなものだった。
『いつなら会える?』ってこっちをうかがうような聞き方に、付き合っていたときとの違いを改めて感じた。
前だったらきっと強引に日時も場所も勝手に決めちゃって、あたしはしょうがないなーなんて軽口を叩きながらも、それに付き合っていたんだろう。
別れてからはじめてのやり取りはどこかぎこちなくて、付き合ってたのがまるで嘘みたいに思えた。