きらいだったはずなのに!
その言葉を聞いて少しだけ頭に来た。
別れを告げたのは、茉菜の方だろ。
茉菜が俺を嫌いになったから、振ったんだろ?
好きだったかなんて、今更聞くなよ。
「それは、俺のセリフだろ? 急に振られたのは俺なんだから」
吐き捨てるようにそう言った。
だって俺は、茉菜のことがずっと好きだった。
明るくてかわいくて、俺のやることなすこと全部に笑顔で応えてくれて。
別れてからもずっと、忘れられなかった。
同じ高校に進学すると話したことがあったから、卒業してからまたチャンスが巡ってくるかもしれないなんて浅はかにも思っていたのに、茉菜は勉強を頑張っていたんだよな。
一緒に行こうと話していた高校に、茉菜は来なかった。
そうまでして俺から離れたかったのかと、ショックを受けた。
好きじゃなかったのなんて、茉菜の方だろ。