きらいだったはずなのに!
三回目のコール音で『……茉菜?』と、ちょっと緊張した声のミヤコちゃんが電話に出た。
その声に安心して、思わず半泣きになってしまう。
『ミヤコちゃあん! 大変なことが起きたー!』
『ちょっと、声でかっ』
『そんなこと言わないで聞いてよー! 心配してたくせにー!』
『な……っ! まあ、その通りだけど。で、なにがあったの?』
いつも塩対応なのにこういうときは必ず優しく話を聞いてくれるミヤコちゃんに甘えて、今日あった出来事をかいつまんで話す。
悠斗に告白されたと言うと、ミヤコちゃんは『やっぱり復縁迫ってきたか』なんて、はじめからわかっていたかのように呟いた。
『で? その元カレとはヨリ戻すの?』
『戻すわけないよっ!』
咄嗟に口をついて出た言葉。それに嘘はない、んだけど……。
そのあとに続けるはずだった言葉がうまく出てこなくて、喉元からぐぅなんて変な音が鳴る。