きらいだったはずなのに!
『で? ヨリは戻さないにしても、家庭教師の人に告白はするの?』
そのミヤコちゃんの言葉に、またもや心臓がぎゅっと痛む。
『それがね……』
あたしは、桐島さんと悠斗が実の兄弟だったということを説明した。
そのうえで、いまあたしが持っている桐島さんへの気持ちが、純粋に桐島さんに向いているのかがわからなくて悩んでいることを打ち明ける。
ミヤコちゃんは一瞬驚いたように声を上げたけど、それがさして問題でもないかのように言葉を続けた。
『でも茉菜は、元カレじゃなくて家庭教師さんに気持ちが動くんでしょ?』
『……うん。だけど、好きになった理由がわからないの。もし好きになった理由が悠斗に似ていたからだとしたら、あたしの好きって、すごく薄っぺらくない?』
『まあ、そう思う人もいるかもしれないけど』
『だよね……』
ミヤコちゃんのストレートな一言に少しだけ傷つくけれど、事実だから仕方ない。