きらいだったはずなのに!
彼女の学力は明らかに足りていないのに、ここら辺で一番の進学校に入学できてしまったと聞いたときには心底驚いた。
だけど、自分の学力に見合わない高校に入った理由はなんにせよ、努力はできるタイプなんだと知って安心した。
きっと教える甲斐があるだろうなと、そう思った。
まあ入学はできたもののやっぱり授業についていけず、家庭教師を頼ることにしたようだったけれど。
母親に対する彼女の言動と学力を合算してみても、この子には外面を良くする必要はないと判断したから、最初から素のままの自分をさらけ出した。
この子にならいいかとすんなりそう思えたことには自分でも驚いたけど、そんな俺の態度に彼女はすごく不服そうで、俺を毛嫌いするような態度になぜか引っ掛かった。
いままで女と言えば、俺の外見を見て媚びを売ってくるような、俺をアクセサリーとしてしか見ていないような、そんな奴ばっかりだった。
付き合ってちょっと素を見せようものなら、思っていたのと違う、とあっさり振られることも多かった。
だから俺も、見てくれがいい女を適当に傍に置いておいて、飽きたら捨てた。
お互い様だと思った。