きらいだったはずなのに!
「……で? この一枚だけ終わらなかった、と」
「すみません……」
気付けばあっという間に時間は過ぎて、桐島さんが来る時間になっていた。
一問目はどう足掻いても解けなくてそこだけ飛ばしてやってはみたけど、解答を全部埋められなくて悔しすぎる。
全部できたら褒めてもらえるかも、なんて浮ついた気持ちでやったから尚更だ。
あたしに目線を向けることなく、今日までが期限だったプリントを手に取った桐島さんはそれらをペラペラとめくって確認していく。
あたしに合わせて先生たちが作ってくれたプリントは基礎から応用まで様々でこれまでの復習が主だから、いままで桐島さんに教えてもらったことを思い出しながら自分で頑張って解いてみた。
ちゃんとできていたか自信は持てないから、桐島さんが確認し終わるのをドキドキしながら待つしかない。