きらいだったはずなのに!

「……だめですか?」


 スマホを握りしめた手に変な力が入って震える。


 遊びに誘うのって、こんなに緊張するものだったっけ。


 ドキドキしながら、桐島さんの返事を待った。


「俺、海って苦手なんだよな。暑いし海水ってべたべたするし」


 言いながら小さくため息をついた桐島さんに、思わず肩を落とす。


 いい案だと思ったけど、苦手なら仕方ない、よね。


「それならしょうがないですよね……。ミヤコちゃんにも断って、」


「プールならいいよ」


 あたしが言いかけたのを遮るように、桐島さんは代替案を提案してきた。


 まさかOKされると思ってもみなくて、飛び上がるほど嬉しいけどびっくりしてしまう。

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