きらいだったはずなのに!

 その視線とさっきの言葉の意味を考えてドキドキが増したけど、深く考えたら頭がパンクしそうだから、とりあえず彼女がいないことに内心ガッツポーズをしておく。


 桐島さんの言葉を信じることにして。


 彼女がいないという事実に思わず笑みがこぼれそうになったけど、気を引き締めて感情を抑え込んだ。


 こんなにかっこいいのに彼女いない方が不思議だけど、いまはいないだけであって過去にはいたんだろう。


 ……いやいや、過去のことを気にしていてもしょうがないよね!


 絶対彼女がいるんだろうと思って、いたら諦めなきゃ、なんて考えてた。


 だけど、とりあえず彼女がいなくてよかった。


 だからと言ってあたしが付き合えるわけじゃないんだけど、ひとまず安心する。


 ……喜んだり焦ったり嫉妬したり、なんだか感情がジェットコースターみたい。
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